IGポート(3791)とは? 収益構造の改善についての解説  1/3

IGポートとは?

IGポートとは、4社の映像制作会社(Production I.G/WIT STUDIO※1/Signal.MD/XIBEC)、1社の漫画出版社(マッグガーデン)、1社の電子漫画プロバイダー(リンガフラン)を子会社にもつ持株会社です。映像制作、漫画の出版、権利の運用等の事業を行っております。
※1(映像制作会社の1つであるWIT STUDIOにおいては持分比率66%、それ以外は100%子会社となっております。)

業界の老舗であるProduction I.Gの権利運用に関するノウハウや、4社の映像制作会社が持つ映像制作の高い技術力、グループ内に漫画の出版社を持つことによるシナジーなどに強みを持ちます。

IGポートには今後、収益構造の改善からROEの上昇が期待できます

実際にIGポートグループの目指すビジネスモデルが実現したアニメ、魔法使いの嫁がTVで放送された結果、その後の第三四半期決算で売上高が前年比37.7%増の64億1千百万円
営業利益が前年比168.5%増の5億3600万円、経常利益は199.9%増で5億9600万円となりました。
その結果、四半期純利益は前年比156.5%増の2億4200万円となりました。

アニメ制作のステップ

IGの目指す収益構造について解説するため、まずアニメ制作のステップについて解説します。

アニメ制作の一般的なステップは現在大きく分けて2つあります。

1.製作委員会方式

製作委員会とはアニメプロジェクトに対する出資者の集まりであり、その成果物であるアニメに対する権利者の集まりです。

原作の出版社、映画の配給会社やTV局など、アニメビジネスに利益を見込んだ企業がプロジェクトに必要な資金を出資し、自らのビジネスに利用するための権利を得る場として製作委員会が組織されます。

そして製作委員会がアニメ制作会社にアニメの制作を発注し、納品され、公開します。

こうしてアニメプロジェクトが作動し、利益が生まれ始めます。
作品の版権収入は全て一度製作委員会に入り、出資割合に応じて出資者に分配されます。

こういった映像制作の方式を、製作委員会方式と言います。

複数の企業が出資し合ってプロジェクトが作動するので、
リスクを分散し合うことができます。

アニメ制作会社にとっては出資しなければただの受注業であり、作品のヒット如何にリスクを負わなくて済みますが、その場合収益とクオリティ(ブランド)のジレンマに陥る危険があります。
また、優良な案件の場合プロジェクトに参加する他社にも出資されてしまい出資比率に上限ができ、思うように出資出来ないといった事が起こります。

図:筆者作成

2.独占配信権売りつけ方式

製作委員会方式と異なるアニメ製作のステップとして最近注目されているのが、独占配信権売り付け方式です。

Netflixオリジナル作品と呼ばれるものなどがそうで、Netflixに制作費と引き換えに作品の独占配信権を売りつけます。

製作委員会方式と違い、製作の際に渡す権利が独占配信権だけで済むので、版権などを全て制作会社が自社で持つことができ、配信権を持てない以外は製作委員会方式で100%出資したときと同じような状態になります。
メディアミックスの際に他の出資者の許可を取らなくて良い点で、IGポートのような複数の媒体から作品を発信している企業にとっては有利な方式です。

IGポートは2018年2月1日に子会社のProduction I.GとWIT STUDIOのNetflix社日本法人との包括的業務提携を発表しました。
この事から、今後IGポートではこの方式によるアニメ制作が増えていくと予想されます。

図:筆者作成

IGポートの収入源は何か

主に版権収入と、書籍の売り上げから利益を生み出しています。

IGポートは自社で制作したアニメに製作委員会出資することで、作品のヒットから版権収入を得ています。また、製作委員会内で抑えた権利の運用によっても利益を得ています。

書籍の売り上げはマッグガーデンによる出版事業によるものです。アニメ化などによって原作の売り上げが伸びることもあります。

IGポートの収益構造の変化とは?

IGポートでは作品に対してより多くの版権を確保する方向に収益構造を変化させています。

具体的には、グループ企業であることを活かしたシナジー戦略と、独占配信権売り付け方式の拡充です。

1.グループ企業であることを活かしたシナジー戦略

図:筆者作成

上の図のように、グループ内で原作の創出からアニメ制作、権利運用までを一貫して行うことで他社の関与を排除し、製作委員会内での出資比率を非常に高くすることができます。
さらにアニメ化による原作の売り上げ増など、1つのアニメ制作から複数の恩恵を受けることができます。
また、それを見込し通常以上のコストをかけて良質なアニメを制作することが出来ます。

このビジネスモデルを完成させた例が魔法使いの嫁です。
マッグガーデンから出版されていた原作のアニメ制作をWIT STUDIO
出資と権利運用をProduction I.Gが担当しました。

その結果、通常であれば他社との共同出資により25~30%程度である、製作委員会への出資比率はグループ全体で60%を達成。

優良な案件に対して大きな出資比率を確保した結果、2018年5月期第三四半期の決算では経常利益が前年同期比+199.9%の5億9600万円、四半期純利益が156.5%増の1億5600万円となりました。

2.独占配信権売り付け方式の拡充

図:筆者作成

2018年2月のNetflix日本法人との包括的業務提携発表に繋がります。複数年にわたる契約で、今後数年に渡っていくつかの作品を公開していくようです。なおグループ内で業務提携を結んだのはProduction I.GとWIT STUDIOと複数社ですので、過去の例がないので具体的な例はあげられないが、年二回程度のペースが予想されます。

ちなみに本契約の特徴は、過去に行われたNetflix米国本社との契約と違い、翻訳の点もNetflix日本法人側が担当するので制作会社側の負担が少ないことです。

配信業者とこのような関係を継続して築くことで社内に知的資産として著作権が溜まっていき、例としてマーベル社の作品、アベンジャーズのように自社の作品同士を混ぜ合わせた新しい作品を作ることが出来るようになります。

まとめ

IGポートはグループ企業であること、長年の経営で培った権利運用のノウハウや映像制作の技術を活かした独自のビジネスモデルを確立しようとしています。
また、Netflix社との提携により、先述した同社内のシナジー効果と同様の結果を生む機会を手にしました。

これらの方式によって行われた事業が好調であれば、IGポートは過去の方式と比較すると結果として利益率を改善させ、ROEを上昇させるでしょう。

ただし出資比率を高められる反面失敗した際のリスクも大きいので、あなたが投資をしようと考えている場合これらの方式で製作されている作品について、より情報収集に注意を払う必要があります。

コメント

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